2014/10/11

El Salvador Trip -DAY5-

コッケコッコー!
ニワトリの鳴声で目が覚める。
昨日までと空気が違う
朝の5時。

時差が15時間あるから、もはやよくわからないが
トリップは5日目になる。
エルサルバドルの滞在は今日で4日目。
そしてラスフローレスでの1日目だ。


昨夜暗くなってからここに来たから
周辺の様子がまったくわからない。

宿を出てビーチへ向かう。
坂道を下ったところがすぐビーチだった。

遠浅のビーチだ。

そこは一面朝焼けに包まれていた。

なんて美しい!


波の方はというと
こんな感じで。
岬に沿ってきれいにブレイクしている。

サイズ感がいまいちわからないが、人が乗っているのを見ると
胸~頭くらいってところだろうか。
ロングボーダーもいたりでメローな雰囲気。

しばらく海を見つめ
セットの感じなど確かめて。

その間一人ゲットしていくサーファーがいたので、
何回ドルフィンするか、流れはどうか、
などもじっくり見て。

うん、大丈夫そう。
私もできそうだ! 
 
胸~頭というのは私にとっては充分なサイズだが、
大きな波を毎日見ていたため
このくらいのサイズだととても小さく感じてしまう。 
 

マリオの話によると、潮が上げるとブレイクしなくなるから
潮が引いている早朝の2.3時間が勝負ということだった。


早速宿に戻って
着替え、板を準備して。

板にも「やっと出番がきたよ!」と話しかけたい気分(笑)

サーフボードを持って歩く自分にひたりながら(笑)
再び海へ。

海水に足が触れる。
足首、ふくらはぎ、と水に浸かっていく。

エルサルバドルに来てやっとやっとの念願の入水である。

海水は思っていた以上にあたたかい。
新潟の某ぬるめの温泉くらいあたたかい。

この辺までくると、サイズがよくわかってくる。
思ってたよりでかいかも…。
全然頭以上あるな。。
まぁでもいってみよう!

旦那には
「最初はこわいから近くにいてね!」と頼んでおいた。
 
ビーチエントリーなので腰くらいの深さのところまで歩いて入っていく。
そこから板にとび乗りパドルをはじめる。
 
途中数回だけドルフィンをして
少し前をいく旦那を追いかける。

 心配そうに何度か振り返る旦那。 

その横を上手なサーファー達が気持ちよさそうに通り過ぎていく。  
ジェリー・ロペスさながらのリラックスサーフィンをしているおじさんもいる。

 ミドルポジションで立ち止まって、ここで待つことにした。

アウトサイドは余裕でオーバーヘッドありそうだが
ここなら胸~頭くらい。

たまにくる大きなセットは私にとっては迫力があったけど
私のへなちょこドルフィンでもなんとかなった。
それを確認して、ちょっと安心した。


様子をみながら端っこのほうから徐々に内側へ。

まずは旦那が一本乗っていった。
気持ちよさそうにロングライドしていったのが見えた。

あんなに長く乗れるんだ!
胸が高鳴る。

その後しばらく待っていたら
いいところに波がきた。
ポジションを微調整しつつパドルをはじめる。
ぐぐっと盛り上がる海面。
波の力を受けて滑りはじめる板。

見えているのは程よくなだらかな斜面。
余裕をもって立つことができた。
徐々に斜面が立ち上がってくる。
それも程よいスピードで。

その波の力を借りて気持ち良く上にいったり下にいったり。

出来るだけ力を抜いて波に合わせて長く乗れるように
と思ったが、走りすぎてしまって途中でプルアウトしてしまった。

あぁ、まだいけたのに、、
と思いつつも

もうニヤニヤがとまらない!(笑)
多分乗っている時もニヤニヤしていたと思う。
そんくらいニヤニヤがとまらない。

あぁ、最高。。


アウトに向かっているとき、同じようにゲッティング中のサーファー達が
グッモーニン!とかブエノスディアス!と声をかけてくれる。

ポイントに女一人だったというのもあるかもしれないけど
みんなやたら優しい。

 アウトに戻ると旦那が笑顔で待っていてくれた。
「やったね!」と。

 その後も旦那はロングライド連発で。
「最高です」と満面の笑顔だ。


途中、アウトから乗ってきたロペス風のサーファーがワイプアウトして
岩と岩の隙間に吸い込まれていくのがみえた。
こわ…。

岩には近寄らないようにしよう…。


しばらく乗れないでいると
さっき挨拶したサーファーが
「乗れた?ここにいれば乗れるよ!」
と岩よりに手招きしている。
(あぁ、、岩には近付きたくないんだけどなぁ)
 と思いつつもこれはいかなきゃ、とそちらへパドル。

(トリップ先ではたまにこんな感じで乗れるようにアドバイスをくれたり
ここに来い、とかこの波にいけ、とか言われることがある。
もちろんもの凄くありがたいのだが、マジっすか…みたいな状況もあって。
でもいくっきゃない!
といった感じで自分じゃ行けない一歩を踏み出せることがある。
そのチャレンジが必ずしも成功するわけではないが、大きな収穫にはなる。)


何本か波を見送り
「きみの波がきたよ!」と。

ちょっと大きいけど
いいポジションだ。
チャンス!

GO!GO!の声に後押しされながらテイクオフ!

…。

最高の滑りだしだったが、プレッシャーに弱い私は気合が入りすぎてしまったか
途中でこけてしまった。

でもでも、すごいスピードを感じることもできて、
記憶に残る一本になった。


こんな風に周りのやさしいサポートもあり
その後も数本いい波に乗ることが出来た。

徐々に慣れて落ち着いてロングライドできるようになってきた。


はじめてスノーボードでちゃんとパウダーを滑って気持ち良いと感じたときみたいに、
全てがスローモーションになる瞬間もあって。
感激。


乗り終わった後には最高すぎて
もうこれでこの旅終わってもいいや~と思えた。


こわさみたいなものがほとんど無くなりつつあった。

少しだけ沖で待っていると
セットが入ってきた。

周りのみんなもゆずってくれる雰囲気。

パドル開始。

板が滑り出して、立ち上がろうとしたら
手が滑ってしまったようで、バランスを崩し
立つタイミングを失って腹ばいのままボトムへ。
チャンスがあれば立ち上がろうと思っていたのだが

そのままでかいスープに飲み込まれた。
ぐるぐるー。。

ゴンっ。


頭に何かがヒットした。


しばらくして海面に顔をだして
一瞬考えた。

念のためあがろうかな
いやでも痛みはそれほどでもないし、まだやりたい。


再びパドルアウト。


パドルしながら状況確認。
頭を触ってみたら、どでかいタンコブができてる。
手のひらは真っ赤で。

あぁ、やっちゃったな~。

とりあえずまたパドルして、
もう一回頭触って手のひらみたら
やっぱり赤い。

そんなのを繰り返しながら
アウトに出ると、後ろから女の子が。

女の子のサーファーに会えて嬉しかったから
ニコっと笑って挨拶したら
「頭やばいよ。」って
ちょっと引いてた(笑)

そりゃあ顔半分血だらけで微笑まれても引くわな。

私の後に波に乗っていったと思われる旦那も後ろからきた。
目が合うと
やっぱり引いてる(笑)

ちょっと見てもらった結果
「あー、これいっちゃってるなぁ、、縫う感じかも。
あがった方がいいよ、一緒にあがろっか。」
と促され、上がる方向に。

最後に一本乗って上がりたい、と思ったけど
欲はかかずにパドルで岸に向かった。

途中からスープに乗って、
全身で波を感じながら上がった。

good bye
である。


しばらくしてマリオもあがってきた。
状況を説明すると
手で縫うジェスチャーをしながら
「すぐに病院へ行こう」と。

わ。。やっぱ縫うんだ。
こわい。。




一度宿に戻ってシャワーで流し
着替えたところにマリオとアナが心配そうに迎えに来てくれた。

私はいくらかかるか分からないから
ありったけの現金とパスポートを持ってでかけた。

「ここから20分くらいのところに小さなクリニックと
1時間くらいのところに大きなホスピタルがあるよ。
どっちがいい?
僕はクリニックで縫ってもらったことがあるけど
上手だったから、そのクリニックでも問題ないと思う。」
といって、
わざわざアイフォンに入っている怪我した時の写真まで見せてくれた。

それなら、クリニックでOKだよ。
ということで出発した。

車の振動が傷に響く。
痛みを感じるとともにだんだん怪我をした実感がわいてきて
元気がなくなってきた。

小さな静かな町の中にあるクリニックに着く頃には歩く振動すらも響いちゃって
しょんぼりあるくその姿は
まさに具合いの悪い人そのものだっただろう。


待合室には多くの人が待っている。
なにやら具合の悪そうな外国人が来たぞ、、とみんなの視線がささる。

マリオが受付で説明してくれて、
すぐに処置室へ案内された。

旦那も一緒に中に入ってもいいか聞いたらダメということで
ここからは私とちょっと疲れ顔の看護士さんだけに。

スペイン語がわからないので
ここからは無言のジェスチャータイム。

彼女は傷を確認すると一度部屋の外へ出て行った。


外から
「そんなに深くないってさー!」
と旦那の声が聞こえる。
それを聞いてほっとした。

ベッドにうつぶせになるよう促されていよいよ始まった。
”今から麻酔打つよ”の意味で目の前に突き出される注射器。
目の前に置かれるハサミや糸。
いちいち全部こわい(笑)
ここからはもうただただ呼吸に集中だ。
ヨガのプラクティスがこんなところで役に立つとは。
そうそう、心配していたのは
髪を剃られてしまわないかということ。
これは幸い周囲を軽くカットされただけで済んだ。
無言の処置が終わり、彼女もほっと一息ついた。
包帯をぐるぐる巻かれて終了。

思い扉の向こうには
心配そうな顔で座っている旦那。
傷心を演じたいところだが
目が合った瞬間、包帯ぐるぐる巻きの自分の姿が照れくさくて笑ってしまった。
旦那も「派手だね。」と言ってちょっと笑っちゃってる(笑)
 でも、きっと私よりも心配してただろうな。
心配かけてごめんよ。


 
待合室にて。


 この後かっぷくの良い女ドクターの診察(マリオの西⇔英通訳つき)を受けて。
4針縫ったらしく、一週間したら抜糸しなさいとのこと。
それから抜糸するまでは海もプールもだめ。
と。。

最後にみんなと握手を交わした。

さあ、いくらかかるのか、、
マリオからは何も言われないので尋ねたところ
「free」
 だって。
え、無料なの?

誰でも無料で治療が受けられるそうで。
驚いた。

薬も無料で受け取ることが出来てとてもありがたかった。
疲れ顔の看護士さんも、最後はグーに親指をたてて見送ってくれた。
ありがとう。
 
 見た目が大げさなので旦那のキャップを被ってごまかす。

宿まで送ってもらってご飯を食べて薬を飲んでから
ちょっと眠ることにした。



ベッドで横になっているさまが
ものすごい病人感を漂わせていたので
記念に一枚(笑)




マリオのおかげでこんなアクシデントもスムーズに対応することができた。
日本ではどうってことのないことでも
遠くはなれた場所ではやはりマリオのような頼もしいサーフガイドが
本当に頼りになる。
感謝の気持ちでいっぱいだ。
 

幸いなことに薬が効いたのか痛みは眠っている間にだいぶひいた。


昼過ぎに起きてちょっと散歩。

ここを左に曲がってビーチに下りていく。


海は潮が上げてタプタプだった。


宿に戻って読書。
ハンモックの揺れが心地よい。

私たちの他に2グループくらいいるけど
みんなのんびりしていてとても静かで居心地がいい。

宿の人も親切だし。

もし次に来ることがあれば、こっちのエリアに長めに滞在するのもいいねー
なんて思ったりして。


そうそう、ローカルの少年が撮ってくれた写真が
いい記念になった。


 
  







 

 良い波だったなぁ。


 まったりな午後を過ごして、
夕方になり
サンセットを見にいこうとマリオが誘ってくれて
プンタマンゴーへ。

ぼっこんぼっこんの悪路を進む。


途中にあったかわいい教会。

ここがプンタマンゴー。
ラスフローレスからボートでのアクセスがメインのポイントだが
マリオは車でも大丈夫ということだった。
朝一は混んでるから、もしも明日朝二で風が弱かったら
ここに来よう。ということになった。

やわらかいサンセットタイム。
かつて内戦の時代、このビーチに隣の国から武器を運んで
右のほうの山で戦争をしていたそうだ。
私たちが出会ったおおらかな人々を見ていると
本当に戦争なんてあったのかな、、なんて思ってしまう。。


新しくできたというプンタマンゴーホテル。
綺麗なホテルだった。
ここで軽く乾杯(怪我人の私はお茶で、泣) 


そしてディナーへとクコの町へ戻る。

レストランかと思いきや、何故か半分くらい雑貨屋みたいになってるこちらのお店へ。


これはじゃがいものなんとかで~
ってお母さんが説明してくれる。

おかずを選ぶと温めてくれるので、しばし待つ。

旦那、ヒゲが伸びたな。
もはやどこの国の人かわからない(笑)


ぐいぐい引っ張ってく感じのマリオと
おっとり優しいアナ。

ここのチキンおいしかったな。
楽しいディナータイムの後は

アイスクリーム!


誰よりもマリオが一番嬉しそうだった(笑)

車内では
運転席のマリオが助手席のアナに「食べる?」って聞いて
アナが「いらない」
マリオ「うまいから食べなよ」
アナ「いらないって言ってるでしょ」
マ「ちょっとくらい食えよ」
ア「そんなもんばっかり食べてるからやせないのよ!」

スペイン語だったから実際のところはよくわからなかったけど
こんなやりとりに思わず笑ってしまった(笑)





思いがけず
なんとも思い出深い一日となった。

怪我したり弱っているときっていうのは
人の優しさが沁みるなぁ。

感謝の気持ちと色々混ざって
涙が流れた頃にはもうきっと夢の中だった。

まだまだ旅はつづく。
しっかり休んで明日からまた元気でいられますように。



DAY6へつづく


asa







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